あー、仕事やめてーな
エディコちゃん、仕事しなくても、まとまったお金が入ってきて悠々自適の生活が送れる方法ないかなー?
宝くじとか再現性の低い方法除くで
ありますよ
やっぱ、ないよね、そんな都合のいい…え?
今回はADHD公務員は、とりあえずお金を貯めてFIRE(経済的自立と早期リタイア)を目指してみようというお話をしたいと思います。
ADHDはその無計画さから、資産形成が苦手とされています。
しかし、その反面、ADHDの特性を活かせばFIREができるくらいの可能性を秘めていると思います。
✔ADHDに悩む公務員で定年まで勤めあげる自信がない
✔貯金がない
✔とにかく仕事を辞めたい
✔将来に向けて資産形成をしたい
投資は自己責任で行いましょう。
Contents
FIREとは?
FIREとは「Financial Independence, Retire Early」の頭文字をとった言葉です。
FIREとは
- Financial=財政上の
- Independence=独立
- Retire=退職
- Early=早期
直訳すると「経済的自立と早期リタイア」という意味になります。
公務員でもたまに実家が資産家で貯金をいっぱい貯めて早期退職する人がいるけど、あれのこと?
定年前に仕事から解放されるという意味では近いですね
従来の早期退職との違い
ジョシュアさんが話していたタイプのいわゆる早期退職との違いを見ていきましょう。
いわゆる早期退職のイメージ
- 退職後の生活原資は貯金
- 貯金を切り崩しながら生活
- 働かない
FIREのイメージ
- 生活原資は主に米国株などの不労所得
- 運用利率の範囲で取り崩していく
- 適度に働く場合もある
- 30代でも可能
これらはあくまでもイメージです。
違いといっても明確な線引きがあるわけではありません。
FIREの定義としてしいてあげるならば、「投資により増やしながら」という点でしょうか。
FIREの実現には年間支出の25倍が必要
で、そのFIREをやるには、おいくら万円ほど必要なの?目安とかはないの?
ライフスタイルは人によって様々なのですが、生活費年間支出の25倍あれば理論上、FIREが可能と言われています。
総務庁の調査によると、2020年の消費支出平均は月額233,568円という結果が出ています。
生活費が月25万円の場合月25万×12月×25=7,500万円
7,500万円!?
そんなに貯められるか!
もうええわ、ありがとうございましたー
ジョシュアさん、待ってください
(なぜ漫才?)
消費支出平均はあくまでも「平均」です。
平均には資産が5億円を超える超富裕層も含まれています。
FIREを実現するには、自身の生活実態に合わせた目標設定が必要です。
生活費が月15万円の場合月15万×12月×25=4,500万円
生活費が月10万円の場合月10万×12月×25=3,000万円
FIRE後の生活費を月15万円に設定するなら目標額は4,500万円、月10万円なら目標額は3,000万円となります。
7,500万円と聞いた後だからか、3,000万円と聞くと現実的に思えてくるね
もちろん、目標額には退職金を含んでも構いません。
ざっくりとした目安ですが、15年勤務の地方公務員であれば、500万円ほどの退職金が期待できます。
サイドFIREという考え方
でもさ、エディコちゃん
月10万円の生活費だと、例えば10万円のドラム式洗濯乾燥機が壊れて買い替えると、1ケ月間お金なしで生活しなきゃならないよ
それについてですが、、
落ち着いてください!
貯蓄してきた資産を切り崩してばかりでは、さすがに先行きが不安になります。
そこで、貯蓄を軸に仕事はしない生活ではなく、自分の理想に近い働き方をしつつ、貯蓄との両輪で暮らしていくというサイドFIREという方法もあります。
自分の働き方に完全に依存するのではなく、貯蓄と組み合わせて経済的な自立に近づこうという考え方です。
具体的には
- 週に●日●時間、無理なく働けるアルバイト
- 創作活動など収入が安定しないがやりたい仕事
- 趣味の延長で収入は少ないけど、苦にならない仕事
4%ずつ切り崩す
FIREの基本的な考えの一つに「4%ルール」というものがあります。
これは、生活費を投資元本の4%以内に抑えることで資産が目減りせずに暮らせるというアメリカ発祥の理論が元になっています。
年間生活費の25倍まで蓄えた米国株などの資産を年利4%で運用することが前提で、そうすれば不労所得だけで生活できるというものです。
例えば、貯蓄元本が3,000万円であれば、
3,000万円×4%=120万円
120万円÷12月=10万円(投資増益による不労所得)
10万円(不労所得)+10万円(好きな仕事で稼ぐ)=20万円
不労所得と無理なく働いた賃金で一月当り20万円で生活をしていくという考え方がFIRE、特にサイドFIREの基本的な考え方です。
たしかに、月20万円の生活費ならぜいたくをしなければ現実的な数字だね
はい、まずは米国株のインデックス投資などで資産形成を目指してみましょう
でも、こういうFIREを目指すサイトやYouTube動画って、みんな口をそろえて米国株投資を勧めてくるね
ジョシュアさん、さっそくいろいろ調べたんですね
みんなして米国株を推してくるのは、アメリカにお金を流させる陰謀なんじゃないかな?
陰謀論はともかく、
- 鵜呑みにしない
- 自分で調べる
その姿勢は見習いたいです
生活防衛資金
生活をしていれば、様々な突発的な支出が必要となってくるものです。
さきほどジョシュアさんが話した高額家電の故障や住宅の修繕、入院など何が起こるかわかりません。
そのような出費があるたびに、投資元本を必要以上に切り崩していては、どんどんと先細っていき、生活の不安が増していきます。
そこで、生活防衛資金という考え方です。
一般的に一月当たりの生活費の6ケ月~12ケ月分を生活防衛資金として、現金や銀行預金として備えておきましょう。
なぜADHD公務員にFIREをすすめる?
ここまでFIREの一般論を説明してきましたが、ADHD公務員と同結びつきがあるのかを説明したいと思います。
ADHD公務員は積立投資に向いている
ADHDは衝動的な特性があり、散財や無計画なお金の使い方で資産形成が苦手な方が多いと思います。
この点は、多くの方に納得いただけるのではないでしょうか。
しかし、その一方で私はADHD公務員は積立投資による資産運用に向いていると思っています。
ADHD公務員が積立投資に向いてる理由
- 月々の収入が安定している
- 好奇心旺盛、行動力がある
- 忘れっぽい
- 目標に向かって一直線
一つ一つ解説します。
月々の収入が安定している
これはADHDというより公務員のメリットです。
もはや説明不要でしょう。
とくに現在にいたるまで、感染症拡大で多くの職種で給与が減額されている中、公務員はボーナスが0.05月分減った程度で、その安定ぶりは健在です。
積立投資をしていく上で、その種となる収入源が安定していることは基礎中の基礎と言えます。
公務員の安定した収入を将来の資産形成に活かさない手はありません。
好奇心旺盛、行動力がある
資産形成を始めるときの妨げとなるものが
- 元本割れの不安
- 自分に投資の才能がないという思いこみ
- 証券口座をつくる手続きが面倒
- よくわからないことはやりたくない
といったところでしょうか。
でも、安心してください。
ADHDの方は、ありあまる好奇心と行動力でこの壁をなんなく乗り越えられます。
しかし、あまり無責任なことも言えません。
楽天証券などのネット証券では月々100円からの積立設定もできます。
まずは自身のリスク許容度に応じた金額で初めて見るのがよいでしょう。
忘れっぽい
ADHDの残念な特性とされる「忘れっぽい」はむしろ投資の世界ではメリットです。
何年か前にTwitterで話題となった画像でこんなものがあります。
積立投資の成功のカギはなんといっても継続力です。
長期の積立投資をしていれば、リーマンショックやコロナショックなど、金融危機に見舞われ、一夜にして元本割れをしてしまう悲劇が訪れます。
しかし、今のところ長い目で見ればどの金融危機も乗り切ってそれを上回る経済成長を遂げています。
大事なのは金融危機が訪れても、毅然とした態度で乗り越えることです。
積立設定を一度やって忘れてしまうくらいがちょうどいいと思います。
ADHDの「忘れっぽさ」は現代の投資環境では武器になるというわけです。
目標に向かって一直線
単純化された目標に向かっていく推進力に関しては、ADHDはピカイチです。
面倒な手続きや目論見書などは過集中的なやつで乗り切りました。
入金力を高めるために、生活費の支出も大幅に減らし、周りを軽くひかせています(笑)
人間関係などが絡まない、目標に一途になれる環境はADHDに翼を与えてくれます。
ADHD公務員はまずは自分の人生を良くしよう
自分の話になりますが、私も役所に入った当初は「私のチカラで自治体をよりよくしていきたい」という熱意100%でした。
その熱意は完全に失ったわけではないのですが、ADHDであることを知っただけではなく、自分の実力の限界というものに直面し、打ちひしがれて落ち込みました。
この先、何度も壁にぶつかると思います。
乗り越えられる壁もあれば、諦める壁もあると思います。
自分の実力には限界があると知った中で「まずは一人の市民である私をよりよくしよう」という気持ちが湧いてきました。
「私だけが幸せになろう」という意味ではありません。
一人の人生を良くできない人に、自治体全体を良くできるはずがないという理屈です。
あながち間違った理論ではないと思うのですが、どうでしょうか?
貯蓄で見えている世界が変わってくる
実際に資産形成をしていく中で、私が経験した心情の変化について、ふれさせてください。
ADHDである自分に自信がない、公務員を定年まで務めるのがつらくて、逃げ出すために始めた資産形成ですが、貯蓄が1千万円を超えたあたりから心情の変化がありました。
仕事が将来の貯蓄のためという新たな概念ができたことにより、今まで以上に精力的に仕事に取り組めるようになったのです。
今でも仕事がつらくて、サイドFIREを目指していることには変わりがないのですが、逃げ道があると知ったこと、着実にその実現に向かっていることで、精神的なゆとりが生まれてきているのだと思います。
誠意ある態度で仕事をすることは公務員として大前提なわけですが、その反面、向き合いすぎるのも良くないということがわかりました。
ポンコツだけど、仕事に一途だった自分に新しい目線をくれました。
補足:エディコは仕事を辞める気はありません
ここまで、FIREを推してきました。
しかし、みなさんに改めて知っておいてほしいことは、私エディコはたとえFIREまたはサイドFIREができるだけの資産が形成されても仕事を辞めるつもりはありません。
地方公務員という仕事のやりがい
もちろん、ADHDに悩み仕事がつらいのは事実です。
また、地方公務員というものは、古くからの規律・不文律に囲まれて、非効率的な部分も多く残る業種です。
しかし、ものごとの反面だけを取り上げて、批判的になることは好きではありません。
住民の方と近い距離で接することができて感謝されることもあれば、街の未来につながる建設的な仕事ができることも事実です。
「地方公務員を辞めたい」と言うのは簡単ですが、その気持ちに抑えられて、本来目の前に存在している「やりがい」から目をそむけないようにしたいです。
下のグラフをご覧ください。
一般社団法人地域社会ライフプラン協会が発行するライフプラン情報誌「ALPS」vol.100に掲載されていた「地方公務員等のくらしと生きがいなどに関する調査」のデータを引用しました。
10年前の古いデータで恐縮ですが、地方公務員の7割近くが仕事に「やりがい」を感じているそうです。
また、別の設問で生活が充実していると答えた人とクロス集計した場合、8割もの人が「やりがい」を感じていることになります。
望まない部署で、または理不尽な環境で仕事をさせれている方も多くおられると思いますが、今の仕事にやりがいを感じていない方には、ぜひ参考にしていただきたいデータですので掲載させていただきました。
資産形成はムダにはならない
しかしながら、辞める気はなくてもFIREをもくろみ、蓄財することは大切です。
FIREを目指さないなら、資産運用なんてする必要ないという反論は成り立つと思います。
ただし、ADHDの特性が強く出すぎて仕事を続けていくことが困難になることも想定できます。
また、考えたくはないですが、仕事の成果や、怠けているように見られやすいことから勤務態度で懲戒を受けてしまう可能性もあります。
ADHDが悪い方向に影響し、限界を迎えてしまったときに、できるだけ未練を残さずに仕事を引退できるように蓄財はしておきましょう。
誰よりも、私自身に言っています。
おわりに
今回はお金の話ばかりしましたので、人によっては嫌悪感を抱けれたのではないかと思います。
もちろん、お金があれば幸せになれるわけではありません。
しかし、お金で防げる不幸は数多くあることは事実です。
持論ですが、幸せというものは目指すものではなく、数々の不幸を回避して辿りついたところなのではないかと思います。
不幸を回避するという意味で、まずは一歩踏み出してくれる方がおられることを祈っています。
コメント